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おにメモ

SIerを辞めてフリーランスになったシステムエンジニアのブログ。

【映画感想】木村拓哉主演・無限の住人。そこまで悪くはないです。

無限の住人というと、だいたい20年くらい前に好評を博した、不死身のサムライの戦いを超美麗な画力で描いたマンガ作品です。

ファン層の多くは今やおっさんなのに、そのおっさんからの支持率がどう考えても悪いキムタクを主演にするのはどうなんだ? と封切り前からファンの間にどよーんとした空気が垂れ込めた本作。

映画の無料券をゲットしたので、怖いもの見たさで行ってきました。

木村拓哉の演技はどうだった?

みなさん気になるのはこれでしょう。キムタク演技と揶揄される一本調子の、キムタク特有の演技。

これが原作を台無しにするのでは? と危惧されていましたが。。。

いや、そんなに違和感なかったです。

よくよく考えてみると、主人公の万次さんって、ぶっきらぼうな物言いのやんちゃ系なんですよね。キムタク演技の型とそんなに違和感がありません。

ゆえに、キムタク演技はキムタク演技のまま「ちょ、待てよ!」が「おう、待て!」に微チューンする程度の変化でうまくアジャストしていました。

本当に違和感なかったです。

そういう意味では「木村拓哉は作品に対して貢献していた」と言えます。

むしろ、お凛ちゃんが微妙

どちらかというとキムタク万次より、万次さんの連れであるお凛ちゃん役のほうに違和感を覚えました。

声の軽い、ゆるふわな女の子がお凛ちゃんを演じています。

私の中のお凛ちゃんはもっと声が低い、優等生タイプの女性だったので、違和感を最後まで拭えませんでした。お凛ちゃん、原作でも役立たずではあったけど、ここまでふわふわだったっけ? みたいな。

このあたりは趣味なのでしょうけど。

客層は? 客入りは?

行ってきたのは「映画の日のような特別価格ではない、普通の日曜日」です。

通常価格(1800円)にもかかわらず、意外と客は入っていました。ハコこそ100人くらいで満杯の小さな部屋でしたが、5〜6割くらいは埋まっていましたから。攻殻機動隊とか半額の日にも関わらず、がらがらでした。

意外と健闘しているのでは? と思います。

あと、客層が興味深かったです。

客の多くが50〜60くらいのマダムでした。

当たり前ですが、無限の住人のファン層なわけありません。無限の住人の世代って、おそらく30〜40くらいのおっさん層なので。逆におっさん層はほとんど見かけませんでした。

マダムたちはキムタクのファン層でしょう。

つまりこれはキムタクのネームバリューが呼んだ客です。彼女たちは無限の住人なんて知らなくても、主役がキムタクだからこそ見に来てくれるのです。

そう考えれば、依然として元SMAP木村拓哉の集客力は結構なものがある、ということですね。

でも、原作クラッシャーなんでしょう?

むしろ原作リスペクトではないでしょうか。

無限の住人を読んでいたのは大昔だったので、序盤の詳細は忘れてしまいましたが、思い出した範囲+ネットで復習した範囲では、かなり忠実に展開していると思います。

最後こそ映画として終わらせるために映画オリジナルの展開になっていますが、これは話を決着させる以上、仕方ないことです。

ただ、ちょっと詰め込みすぎ感あると思うんですよね。

万次さんの永遠のライバル(?)、狂犬・尸良が自分の切断された腕の骨を削り出して、武器としてお披露目するシーン。原作において、あそこは尸良の異常っぷりが爆発していて、すべてのセリフが頭おかしい名シーンなのですけど、映画では全部ばっさりカットされて「万次、お前のおかげでいいもの手に入れたぜ!」になりましたからね。おかげで尸良のキャラの軽いこと軽いこと。

原作に忠実であろうとするのは素晴らしいですが、全体的に残そうとして個別に薄くなってしまった感はあります。

で、作品の出来は?

意外と悪くはなかったです。

いや、決して傑作とは言わないし、むしろ、それほど出来が良いとも思わないのですが、最初に設定したハードルが低すぎたので、それを考慮すると意外と健闘しているな、と。

個人的に脚本で気になったのは、単調なことですね。

これは原作の流れどおりやっているからですが、最初は逸刀流の剣客と順に対決していきます。

対決>インターバル>対決>インターバル>対決と次々と格闘ゲームのように対戦していくのですが、さすがに戦闘だけを繰り返されると、単調さはぬぐえないです。戦闘の展開も、万次さんが押しまくられた後、不死身パワーで一発逆転! の一本調子ですからね。。。

こんな感じで前半は同じリズムが続くため、少し眠くなりました。

あと、売りの大規模な殺陣シーン。

大人数を相手にばっさばっさと無双していますが、これもちょっと長すぎです。やっていることは剣を向けて威嚇して、敵の剣を受け流して、ばっさり斬る、だけですからね。これをひたすら繰り返しながら、ひたすら何分もやられると、ちょっと厳しいです。

そういった単調さや、全体的な薄さは気になりましたが、逆に言えばそれくらいしか気になりません。大きな破綻もなく、手堅くまとまっている作品とは言えますね。